【損害賠償の事例】リスクが大きい無断退職は止めておこう!

こんにちは!

 

無断退職は、簡単確実に会社を辞める方法ですが、同時に、裁判を起こされる可能性が出てくるなど、リスクの高い方法でもあります。

 

そこで、今回は、無断退職によって、退職者に法的な損賠賠償責任が認められた事例について書いていきます。

 

無断退職で損賠賠償が請求されるケースは稀

 

無断退職があり、それによって取引先との契約をキャンセルされたり、新店舗の開業が中止されたり延期されたりして、会社が損害を被った場合、会社が無断退職者に被った損害の賠償を求める裁判を起こす可能性は皆無とは言えません。

 

しかし、裁判事例では、無断欠勤で会社が被った損害の賠償を求める訴えが起されたという記録はほとんどないようです。

 

プロジェクトの責任者として採用された者が、プロジェクトの途中で無断退職し、それ中止になったなど、会社に生じた損害と無断退職の因果関係が明白で、会社が被った損害額が大きい場合は、裁判沙汰になる可能性は高くなります。

 

ただし、普通の従業員が無断退職した場合は、大きな損害が会社に発生する可能性は低く、また、損害と無断退職の因果関係の立証も困難なので、裁判沙汰になるケースはまずないと言っていいでしょう。

 

退職者に損賠賠償責任が発生したケース

 

退職後に退職した社員が、会社から退職によって会社に生じた損害の賠償を求める裁判を起こされて、会社側が勝訴し、社員に賠償金を支払う義務が発生したのは、以下のようなケースです。

・特定の業務を担当するために期間の定めなく採用した職員が、採用から4日目に辞

めてしまい、取引先との契約がキャンセルになったケース(賠償額約66万円)

・会社の取締役が会社の経営不満を持ち取締役を辞任。退職後、大量のセールスマンを自分が再就職する競業他社に移籍させたケース(賠償額約870万円)

・会社の社員留学制度を利用して米国の大学に2年間留学し、経営学博士の学位を取得。帰国から2年5カ月で退職したケース(留学費用の会社負担分約476万円)

 

 

退職した社員に、退職によって会社に生じた損害の賠償をするべき法的な義務が認めら

れるのは、上記のような特所なケースです。

 

従って、普通の退職では、たとえそれが無断退職であったとしても、裁判上で損害賠償責任が認められることはまずないといってよいでしょう。

 

ただ、会社が嫌がらせで、適当に算定した金額による無断退職による損害の賠償金を求める請求者を送りつけてくる可能性は十分あります。

 

裁判上の責任が認められることはまずないとしても、こういったトラブルに巻き込まれるリスクは少なくないので、無断退職は避けるべきです。