【意外に知らない】「パワハラ」と「モラハラ」の違いについて

2020年4月15日

 

今回は、「モラハラ」の意味や、「モラハラ」と「パワハラ」の違いについて書いていきます。

 

日本では、「パワハラ」の方が「モラハラ」よりも有名な言葉です。

「モラハラ」という言葉が世に出たのが1998年で

「パワハラ」という言葉が世に出たのが2001年です。

「モラハラ」の方が古い言葉です。

 

「パワハラ」の大部分が精神的な嫌がらせであることを考えると、

「モラハラ」のうち、職場の上司から部下という権力的な関係を背景に行われるものが

「パワハラの一部」と考えることができます。

 

モラハラとは

 

「モラハラ」とは、1998年にフランスの精神科医であるマリー・フランス・イルゴイエンヌが

提唱した言葉で言葉や態度によって行われる精神的な暴力のことを言います。

 

具体的には以下のような行為がモラハラに該当します。

 

・平気で嘘をつく

・絶対に謝らない

・間違いを執拗に攻め続ける

・常に否定的な発言をする

・無視する

・常に自分を正当化する

 

目に見える肉体的な暴力とは異なり、このような言葉や態度によって行われる暴力は見えづらいです。

そのため、長い間潜在的なものとして存在していましたが

「モラハラ」という言葉によって世間一般に知られるようになりました。

 

「モラハラ」は主に夫婦間や親子間に行われ、

ドメスティック・バイオレンスの一種と考えられています。

職場内でも同様の精神的な暴力が行われることもあるので、

職場内でのそういった暴力も「モラハラ」と呼ばれています。

 

「パワハラ」と「モラハラ」の違い

 

「パワハラ」で精神的な暴力が行われることはよくありますが、

上司から部下など権力的な関係の中で行われる精神的な暴力は、「パワハラ」に該当します。

 

一方で、同僚同士や部下から上司に対して、

精神的な暴力が行われた場合には「モラハラ」に該当します。

 

「モラハラ」という言葉が世に出たのが1998年で、「パワハラ」という言葉が生まれたのが2001年です。

「モラハラ」のうち、権力的な関係を背景として行われるのが「パワハラ」であると考えてもいいかもしれません。

 

部下から上司に対するハラスメントは少ないと思われますが、

同僚間のハラスメントが行われる可能性は十分あります。

 

同僚間のハラスメントでも、被害者を退職に追い込んだり、うつ病などを発症させることができます。

「パワハラ」ほどではないにしても、この「モラハラ」も十分に気をつけなくてはなりません。

 

「モラハラ」被害にあった場合はどうするか

 

「モラハラ」の被害にあった場合の対策も

基本は「パワハラ」被害にあった場合と変わりません。

メモ、メール、録音など、

「モラハラ」があったことを証明できる客観的な証拠を揃えて各種の相談窓口に相談します。

 

「モラハラ」の場合、「パワハラ」とは異なり職場の上司は当事者ではありませんので、

職場の上司が信頼できる人であれば職場の上司に相談することも可能です。

 

「モラハラ」被害の相談窓口としては、以下のようなものがあげられます。

 

・社内のハラスメント窓口

・法テラス

・労働局や労働基準監督署内の総合労働相談センター

・弁護士事務所

 

加害者が上司ではなく同僚なので、問題の解決はパワハラの場合よりも易しいかもしれません。