【派遣社員必見】退職前に有給消化を拒否された場合の対処方法

2020年4月15日

 

今回は、派遣社員としてお勤めの方が

「会社に退職を申し入れた日から退職予定日までの期間に有給休暇を請求できるのかどうか」

ということについて書いていきます。

 

結論を先に書くと、

有給休暇を自由に取得する権利は派遣労働者にも保障されているので、

この期間について有給休暇を請求することは問題ありませんし、

会社もその請求を拒むことはできません。

 

ただし有休が残っている場合のみになります。

また、事が大きくなると次回以降は派遣先を積極的に紹介してくれなくなる可能性もあります。

 

派遣労働者の方でも有給休暇は取れる

 

有給休暇に関する事項を定めた労働基準法は、派遣社員の方にも適用されます。

 

派遣社員の方でも、一定期間以上勤務された場合には有給休暇が付与されますし

それを自由に使う権利が認められています。

 

派遣社員だからと言って、有給休暇の利用方法が正社員と異なるということはなく、

正社員と全く同じように有給を使うことができます。

 

退職の意思表示から実際に退職するまでの期間について、

派遣社員の方が有給休暇を請求した場合でも、会社はそれを認めなくてはなりません。

 

派遣社員が退職待機期間に有給休暇を請求したにもかかわらず、

会社がそれを拒否した場合には法律違反となります。

 

 

有給拒否があれば労働基準監督署に相談する

 

派遣労働者の方が派遣元会社を退職する際に、

退職届の提出から退職までの期間に有給休暇を申請してその申請が拒否されても、

派遣元会社は時季変更権を行使できないです。

会社の承認がなくても自動的に請求した期間について有給休暇が成立します。

 

従って、会社の承認がなくても、有給休暇を請求した日については休んでも問題はありません。

 

ただしこのケースでは、退職後に振り込まれる最後の給料について、

休んだ日が有給休暇ではなく無断欠勤扱いになるので、

給与の一部がカットされることがあります。

 

このカットは違法な賃金カットなので、

給与明細書や有給休暇申請書などの客観的な資料を揃えた上で労働基準監督署に相談すると、

会社に対して監督署から行政指導が行われて、

違法な賃金カット分を後から取り戻すことができます。

 

会社が有給を拒否した場合にはその場では会社とは争わず、そのまま請求通り休みを取り、

その結果会社が最後の給料をカットした場合には、労働基準監督署に相談するという流れになります。

 

ただし多くの派遣会社で「面倒くさいスタッフ」という印象を持たれてしまい、

今後の派遣先の紹介は難しくなる可能性が高いです。

派遣会社自体はそれを認めないとは思いますが…

 

 

退職までに余裕があるケースについて

 

退職時のトラブルを避け円満に会社を退職するためには、

退職予定日の1か月~2か月前に会社に退職の申し入れをするのが良いとされています。

 

その場合には有給休暇の残日数が不足して、

出勤日の全てについて有給休暇を取得することができないケースが多くなります。

その場合には、会社は時季変更権を行使できる余地があります。

 

しかし、会社が時季変更権を行使する余地があるといっても、

時季変更権によって休暇日の振替ができるのは、

あくまで出社義務のある日(退職の申し入れから退職予定日までの間)についてです。

退職後の出社義務のない日を振替日にすることができないことに変わりはありません。

 

退職予定者から有給休暇の請求があった際に会社が時季変更権を行使する場合でも、

退職日までに請求のあったすべての有給を使い切るようにシフトを組む必要があります。